おいしいご飯

あの地震で電力が逼迫して以後、わが家では電気炊飯器でご飯を炊くことを止めている。ご飯を食べなくなったわけではない。ガスコンロを使って炊いているのである。

では、どうやってご飯を炊いているかというと、圧力釜を使っている。土鍋ご飯は昔試したが、面倒くさい割りにおいしく炊けない。普通の鍋炊きもめんどくさい。圧力釜だと、5分ほど圧力掛けて放置だから、簡単である。


しかし、圧力釜で炊いたご飯がおいしいかと言うと、たいしておいしくはない。

炊き上がり自体はコンピューター制御の電気釜の方がおいしいと思う。

が、炊き方がどうこういうレベルを遥かに超えて、ご飯をおいしくする方法を見付けてしまった。


答えは簡単。炊き立てを「檜のおひつ」に移すことである。


ちょっと水分多いかな、という炊き上がりも、数分おひつに置くだけでいい感じにつやつやになる。

おひつの後始末の面倒さが苦にならないくらい、飯の味のレベルが上がる。


日本人がご飯離れした、というのは、パン食の影響とかよりも、炊飯器が保温ジャー化しておひつを追放してしまったからじゃないかなー。
農林水産省は1世帯に一個木のおひつを配るくらいのアクションすればいいのに…。


さて本題。

炊き立て一文字飯や、塗りの飯器は本当のおいしいご飯ではないと思う。

お茶の精神がおもてなしであり、懐石がお茶から切っても切れないなら、木の飯びつで最適なご飯を出す、という風に変わって行くべきなのではないか?

木の飯びつが日常だった時代には、日常からの逸脱として、炊き立て一文字飯や、塗りの飯器が必要だったかもしれないが、今では木の飯びつだって立派な非日常なんだしさ…