釉から見たやきもの2 釉の定義から外れる釉
釉の定義から外れる釉 ──胎の一部が釉になる
■カネヨクレンザー(未来の胎=釉を暗示するもの)
ご存知の洗磨剤です。
これに水を加えて揉み、ろくろにかけました。
腰が弱くてヘナヘナしますが湯呑みや碗ぐらいのものならなんとか挽けます。
写真2がそれですが、おもしろいことに乾燥中に玉ねぎの皮がめくれるように剥がれ落ちて、その下にそれぞれろくろ挽き上げした皮が見えます。
クレンザーをろくろ成形とはかっ飛ばしてるなぁ。
界面活性剤を含んでいるので、パイ生地の様に層ができてしまう、ということらしい。
釉の書物にろくろのことなど書いて恐縮ですが、実はこれが次のことに関係がありそうなのです。解離の最表層が胎とは別に融けて釉になりうるのです。
分厚い層は焼きしまった胎になるが、薄い層は融けてガラス質になり、釉になる…ということらしい。
形状や位置で温度が変わり、同じ材料から違う結果が出来る…つまりマジックケーキみたいなもんか。
しかしどーゆー実験精神よ?