釉から見たやきもの4 釉の名前

■釉の名前はなるべく原料でつけたい

青磁釉と呼ばれるものを使えば、どんな土につけてどんな焼き方をしても淡い青緑系の色になるとは限りません。
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つまり焼成後における色相を観点にするときわめて混乱がおきやすいのです。

なるほど。
焼き方や胎によって色が違って出ることはあるってことか。
結果で釉に名前をつけるのは誤解を招くわけね。

■釉の名前を二重式にしてはどうか
(略)
昔の一般鑑賞家は製作技術などにはほとんど興味を持たず、ただ焼き上げられた結果についてだけ古い和歌を引っぱり出して、それになぞらえて銘をつけたりしながら、それを眺めていました。
だから、それが乳白であるか、飴であるかだけが問題であって、小市だろうがなんだろうが、そんなことはあまり問題ではなかったようです。
(略)
しかも今は昔と違い、見るだけでなく自分で作ろうとする人が圧倒的な倍増率でふえてきています。
こうなってくると釉の命名法も、原因、結果の二要素を併記して、二重式命名法にするのが望ましいと思います。
小市土─灰〜飴釉。こんな表記をすると、作る側にもその釉の原材と結果とが判って、釉の実体が掴めるのではないでしょうか?

還元とか酸化とか温度とかいろいろあるので、三重式ぐらいにしないと難しいんじゃないでしょうか…。