釉から見たやきもの5 オリエントの土と東洋の土

釉はまず土(石を含む)の上にかけられ、窯のなかで焼かれてでき上がります。
そしてその窯も実は土で作られます。
(略)
土が火に弱いと胎も窯も火に弱いものになり、その結果焼成火度の高いやきものは期待できません。

なるほど。高温で焼く磁器みたいなものは、テクノロジーの他に、それを可能にする素材が必要というわけね。
んでもって窯はその土地の土で作るから、窯が耐える温度までしか焼物を作れない、と。

東洋とオリエントでは釉の起源が違います。
それを釉だけ切り離して考えずに、もっとやきものの基礎になっている土の問題から掘りおこして考え、できるだけ実験的に話を進めましょう。
(略)簡単にいいますと、オリエントは乾燥が進行し、東洋は依然としてモンスーンの影響下にあるということです。
これは土性に極めて重大な影響を与えます。

ふむ?

(略)
こんなことを頭の片隅におきながら、古代オリエントの陶片を私の窯で再び焼いてみます。
(略)
写真6は陶片をとそれを約一二五〇度で焼いたものです。
この温度で焼くと陶片は胎ではなしによく融ける釉です。
(略)
一方、同時期と思われる二本の縄文土器を再焼してみました。
焼成温度は一二八〇度でオリエントのものより高く焼いてありますが、ごらんのとおりです。

すげぇ事してるな…。

つまり、オリエント方面の土は融点が低く、高温の窯が作れない。
アジアの土は融点が高く、高温の窯が作れる。
そういうことか。

そういえば、釉の凄い古代オリエントの陶器って、印象無いな…。
ヨーロッパはいうまでもなく。

陶器関連はアジア圏が圧倒しているのは、土のせいだったのか。