釉から見たやきもの11 燃料の問題

現代での焼成と釉との関係は大変多様です。
それは窯の様式、材質、初設備、その他が多様化した結果でもありますが、特に昔と大きく変わったのが燃料です。

それはそうよね。でなきゃ大量生産の度合いがかわるもの。

薪を燃料とする窯では、窯の構造、焼成法によっても違いますが、焔はゆらりゆらりと燃えています。
それに比べて石油系の焔は走っている感じです。

燃料の違いによる「灰の量/有無」は気になってたけど、焔自体が違う、というのは正直知らんかった。

固体燃料と液体燃料を一キログラム燃焼させるのに必要な酸素の量を空気の容量に換算して立方メートルで表わしますと、だいたい次のようになります。

三〜四
石炭 七〜八・五
無煙炭 八・五〜八・八
木炭 八〜九
重油 十一ぐらい

なお気体燃料は、固・液体燃料とは比較規準が違いますが、石炭ガスでだいたい薪と同じぐらいとみられます。

気体燃料と言うのは「ガス」という事なんだろうけど、電気、というのは選択肢にないんだな…さすがにプロユースじゃないってことか。

この空気必要量によっておわかりのように石油系は強制的に風を送ってやらないと十分火勢がでません。
したがって焔の流れが速くならざるをえないのです。
(略)
やきものにとって一般的には焔の流れが速すぎるのは好ましくありません。
焔がたまりすぎたり、上すべりしありして焼きむらができて、これが釉の発色、融け具合、その他に大きな影響を及ぼします。

薪で焼いている人たちを「やる気がある」「本格的」「昔ながらの」的なやる気レベルで考えるのは間違っていて、やっぱり根拠ある焼き具合の差があるってことなわけか…門外漢にはなかなかわかんないことだわね。