釉から見たやきもの12 燃料の質と釉の関係

昔の日本では陶窯のやきものといえば、ほとんどが薪でした。
しかし今はいろんな燃料を使っています。
前項の焔の速さなどというのは空気との関係での物理的な面の特徴でしょうが、燃料の質による釉への影響もあるのではないかと思われます。

ということで、燃料の「成分」の話。

私が主として使ってきた窯は五基でして、電気、都市ガス、石油(形式の違う三基)となっています。
この五基のうち、どれで焼いても同じになる釉もあるし、またどれで焼いても違うものもあります。
(略)
これらのなかで石油を燃料にするのであれば窯の形式とは無関係に同じ釉生成面のパターンを作るという特殊な事例群があります。
(略)
これらの事例はおそらく、釉のなかに含まれる硫黄などと石油のなかに含まれる硫黄との共同によって、一種の製鉄作用と鉄の集積作用が高まるからではないでしょうか。
石油によるわずかな硫化作用も見逃せない力だと思います。

石油窯ってのは灯油ってことだよね?
これが重油とかのタール成分含むようなものだったら、さらに違うものになるんだろうなぁ。

「Aという釉をBという窯でCの燃料を使いDとの焼成プログラムで焼くと、こうなる」とはなかなかいえません。
ですからおもしろいのかもしれません。
人間が一番喜ぶおもちゃは、不定という名のついた、幾万もの目を持ったサイコロだろうと思います。釉はそれです。
でも、サイコロの確率を調べたいと思います。

この作者、言うことがイチイチ男前なんだよなぁ…