釉から見たやきもの19 灰の特質

釉の定義の項で釉の方法条件として「胎に付着させられること」を条件としてあげておきました。
(略)
天然にあるものであまり手を加えなくても二〇〇目以下の微粒子が揃って得られるものはいくらかあります。
まず粘土のなかの一部のものがそうです。
(略)
その他いくつかありますが、それだけで釉になりえるものは前記姫田土のような一部のものだけです。
だから、うまく融けてくれるものを釉にしようと思えばこれを粉にしなくてはいけません。
でも粉にするということはたいへんです。
しかも二〇〇目以下に粒子を揃えることは、昔の人にとっては大仕事だったでしょう。
こんな状況の時に、ほんの少し手を加えるだけで微粒子が得られるものがあったら、これはとてもありがたいことです。
ところが、薪は、獣骨や貝殻は、石灰岩は、ただ燃やすだけで、あるいは少し強く燃やすだけで簡単に微粒子になってくれます。
これが釉の素材として灰類がとりあげられた原因の最大のものだと思います。

なるほど…。

しかし、日本の陶芸は遅れていたイメージがあって、その灰を施釉するどころか、素焼か、焼き締めか、灰が窯内で降り掛かる自然釉か、そのあたりの状況で室町時代を迎えている気がするんだが…
#一時的に奈良三彩はあったけど。

この遅れた状態から、一足飛びに長石釉とかにチャレンジしてるんだから、わけわかんねーよな…。