松屋会記に見る土引切

天正年代後半から引切ブームがはじまるわけだが、その初頭数年に「土引切」というのが出てくる。

出現率ではこんな感じ。

引切 土引切
天正10年 00.0% 00.0%
天正11年 00.0% 00.0%
天正12年 16.7% 11.1%
天正13年 25.0% 37.5%
天正14年 61.1% 11.1%
天正15年 81.8% 00.0%
天正16年 61.1% 00.0%
天正17年 70.0% 00.0%
天正18年 61.5% 00.0%
天正19年 50.0% 00.0%

引切が天正12年から出現し、天正14年以降、おそろしい普及率を示す。
同時に土引切も出現し、翌年には引切をしのぐ勢力となるも、天正15年には廃れている。

土引切がどういう蓋置なのかは、よくわからない。
つくねのような気もするが、もしかすると竹を模した焼物だったりするのかもしれない。

天正13年あたりに、合わせて60%を超える「侘び蓋置ブーム」が起き、その両巨頭として竹引切、土引切が生まれ、片方が淘汰されたってことじゃなかろうか?

どっかに伝世品があったりしないかなー。