天王寺屋会記における五徳の蓋置
本当は天正13年以降の、引切の流行で松屋会記と天王寺屋会記の比較をしてみたいのだが、収録範囲的に無理。
なので、永禄の五徳の蓋置で比較してみる。
天王寺屋会記津田宗達茶会記に五徳の蓋置が出てくるのは永禄2年、12月21日の宗好の会。
年 | 五徳 |
---|---|
永禄元年 | 2.78% |
永禄2年 | 3.12% |
永禄3年 | 2.5% |
永禄4年 | 2.86% |
永禄5年 | 0% |
永禄6年 | 2.86% |
永禄7年 | 3.7% |
永禄8年 | 0% |
天王寺屋会記津田宗及茶会記
年 | 五徳 |
---|---|
永禄8年 | 0% |
永禄9年 | 0% |
永禄10年 | 0% |
永禄11年 | 0% |
永禄12年 | 0% |
永禄13年 | 0% |
あれ?同時期の松屋会記での五徳蓋置の出現率は22%なのだが…遥かに少ない。
通読して気づいたのは、天王寺屋会記はあまり蓋置の記述自体がないことである。天王寺屋にとっては蓋置の流行とかは割りとどうでもいいものだったのかもしれない。
だが記述粒度が違うのであれば、異る二つの会記を比較して有意義な結論を出すというのはむずかしいのかもしれないなぁ。