美術骨董品投資の秘訣2

昔読んだ本だが、また読み直している。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20110130

あの頃読み飛ばしてた所がむしろ面白い。

美術蒐集家の中には、随分変わつた人があつて、絶対に商売人から買わぬことを信条としている者がいる。
美術骨董界の中心近くにいてみていると、この蒐集家のところへ、商売人の品物がつぎ/\と流れていつている。
あたかも素人の所有者の如くに装つて、素人の手を経て、売り込まれるのである。
素人の手を経るという無駄な手数を一つ増すだけ、それだけその品物の値が高くなることはいうまでもなく、またその品が、素人の所有品ということであれば、返品もできなければ、苦情を申し出ることも出来ない。
こういう人は、玄人からみれば、全くよい鴨である。
商人の広い市場を経てこそ、気に入つた品物は買えるので、素人と素人の間で出合いのつく品物などは、極めて僅かしかあり得ない。

道具屋は、コレクターをしゃぶり尽くす存在だ…そういう奴ばらとはつき合わぬ!という考え方もあるのかもしれない。
でも、それはおよしなさい、逆に鴨になるばかりだからということか。
おっそろしい世界だなぁ。