美術骨董品投資の秘訣11

玄人が怠り勝ちなことで素人の人にすヽめたい鑑定法の行き方が一つある。
それは前に述べたように、玄人は書画の一端を見てそれが誰の作品かということを直ぐにいい当てるくらいに特徴をのみ込んでいる。
そしてこの特徴があるからこの品は本物だと判断し勝ちである。
即ち、積極的断定である。
これは一つには、出来得る限りそれが本物であつて欲しいという玄人の欲望からも来ているのである。

プロはババ引きたくないけど、押しつけ先が想定できるならババくさいカードもひいちゃう。ババだったらカモに押しつけ、ババじゃなかったらもっといいトコヘ売り抜ける、という作戦がとれるもんね。

素人の人にすヽめたいのはこの反対の行き方である。
いわば消極的な断定である。
即ち、その品物の欠陥を隈なく探すのである。こんな欠点があつては本物ではあり得ないという厳しい見方でゆくのである。
(略)
これは本物を贋せ物とする危険が多分にあるにはあるが、素人の鑑定修行はこの程度に厳格であつてよいのではないかと思う。

入札会でささっとは無理で、店頭でじっくりにしないといけないわけね。
誰が見ても怪しくないといえる商品を購入するのだと購入費用もかさみそう。