美術骨董品投資の秘訣15

偽物の話の続き。

竹田や春琴の画は、これに頼山陽の賛が入ると、値段がぐんと高くなる。
松花堂の画なども、高僧の賛が入ると、同様に値段がぐんと高くなる。
そこで本物の竹田や春琴や松花堂に、贋せ物の賛が入れられることになる。

これは本物の画を素材と見て、高額化する為に小細工をするということ。
しなきゃ真正本物なのに…。

渡辺崋山の花鳥の絵手本の画帖十頁が、十幅の軸物に仕立てられる。
ところが、これは絵手本であるから、一枚々々に落款が入つていない。
落款が入つているといないで、その軸物の値段はぐんと違う。
そこで落款の入つていない軸に、贋せ物の落款が入れられる。

こちらは軸物でないものを軸物に仕立てる方法。
絵自体は本物。

富岡鉄斎の画は共箱(鉄斎自身が箱書きをしたもの)のものでないと高く売れない。
そこで本物の鉄斎の画に、贋せ物の箱書きがつけられる。

こっちは軸に全く手は加わっていないけど、偽の箱書きがある為に値段が上がってしまうパターン。

鑑定の為にいくら勉強しても、素材そのものが本物だったら騙されちゃうじゃん。
高僧の賛の字まで勉強したりできねーよ…。