松花堂昭乗11

昭乗の…あるいは瀧本坊の道具について

瀧本坊には昭乗の數寄により書畫茶器の珍蔵多く、此等は稀覯の神作を蒐めたものである。
此等の道具は昭乗の茶會に飾り或は用ひられ、客の目を驚かし讃歎せしめたものであらう。

松花堂昭乗国司茄子を所持していた。
相当の経済力が八幡にあった、という事だろう。

昭乗の歿後、従來の蔵器に更に昭乗筆の書畫等を取入て八幡名物或は瀧本坊名物と稱し、後世もてはやされた。

そりゃそうだろう。

八幡名物は維新前まで京都所司代の巡檢する例があり、斯道人士の八幡を訪ねて觀る者も多かつた。
『譚海』(三ノ八三)によれば好事の者には銀一兩を拂つて所望すれば器物を並べて見せ且懐石を饗したさうである。

割と生臭い話ではある。
銀一両って1万円ぐらいだから、さほど暴利ではないのが救いか。

気になるのは京都所司代の話である。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20160303

にも京都所司代松屋名物に関し問い合わせをする話が出てくる。

京都所司代は、近畿の名物道具を監視管理する役割があったのだろうか?
文化庁国税庁関西支局的な…。

であれば江戸近辺とか、その他地方はどうだったんだろう?