松花堂昭乗12

昭乗の蔵帳。

次に八幡名物には如何なるものがあるかを簡単に説明する。
歌詠及び書畫の類には飛鳥井雅經の詠曉紅葉和歌・藤原清範の詠曉紅葉和歌・飛鳥井雅縁の春日侍平野社寶前問詠寄神祝言和歌の各懐紙、定家の大願書・小願書・定家・為家兩筆の和歌・一休和尚の色紙(秋の歌)がある。

多いのでいろいろ略す。

茶器には實に天下の珍寶を集めたものである。
茶入には唐物國司茄子・唐物奈良文琳・唐物肩衝(銘蛙)・古瀬戸尻ふくら・瀬戸面取・古瀬戸芋の子・古瀬戸水滴・瀬戸肩衝(銘卯花)備前(銘さび助)・膳所燒鶴首・高取平・唐物木彫茄子の各品がある。
就中國司茄子茶入は大名物に属し(略)

いったいどういう経済力が八幡の社僧にあったのであろうか?
ちょっとおかしくないか?

特にコレ:

奈良文琳茶入は昭乗が八幡に入院の時に持参したもので、結納文琳とも八幡文琳とも云はれ、現に益田家に藏せられてゐる。

17歳で八幡に入院して、親の事が不明(師匠は幕府に拾い子であると言った)が、なんで唐物を持参しているのだろう?
出自が怪しすぎる…。