君台觀左右帳記研究3

君台観左右帳記上巻の筆頭。つまりナンバー1絵画について。

曹弗興の佛畫と言へば、千七百年前の古畫である。
三國時代に於ける呉王孫權の為め、其塀に繪けりとのことなれば、實に古畫中の古畫に數へざるを得ない。
三國時代は我邦の神功皇后時代に當り、足利義政の時代に於ても既に千三百年を經たる品最古の佛畫である。
斯る古畫が珍しくも我邦に傳來し、而も東山義政の手に入れるが如き、實に稀有の珍事である。

曹弗興は呉録に曹不興として記載された人物。呉書に裴松之が注釈で採録した。
ただ、その記述は絵がとてもうまい、というレベルであって仏画の話は出て来ない。
その後どういうわけか中国で仏画の祖ということになっているらしい。
ちなみに神功皇后ではなく卑弥呼以前の時代であるが、紀年の考え方だと大体一致する。戦前の本だからね。

若し君臺觀左右帳記の筆頭に置かれたる曹弗興の佛畫にして現存するとせんか、それこそ世界唯一の古畫なりと推重せなければならぬ。
(略)
或は言ふ。東山義政の手に入れたる御自慢の曹弗興は朝鮮より将來されたる朝鮮畫家の贋作にして、其原畫は夙に滅失して、此の世に存在しないのであると。

まぁ残らないし、残ってなきゃ贋作疑うよね。
#残ってても贋作疑うが。

中国には何枚か現存するみたいなので、年代調査したいねぇ。