君台觀左右帳記研究7
牧谿の現物に関する批評。
某子爵家に傳はれる牧谿の竹雀図は如何にも逸妙である。
これか。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=10391
根津さんとこにある奴。
而も其畫面の右方上部に白文牧谿の印を捺したる外何等の落款文字を見ないのである。
支那畫に印形のみ捺すが如きは所蔵印若くは鑑賞印の外全く見受けないのである。
而も畫面の上部に捺するが如きは不作法千萬にして如何に豪放たる牧谿和尚と雖もマサカ斯る無茶なことを敢えてせないや察せなるを得ない。多分後人の手に捺せられたる牧谿印で之が為め竹雀圖は却つて疑問の牧谿たるに至つたのである。
印だけでそこまで判るのか。
まぁ印なんて後で捺せるものだけに、捺印の仕方がおかしい、というのはそれだけで駄目か。