茶道具の用と美3
ディレクターとプロデューサーの話。
林屋 (略)だから、いまの千家十職がございますね。じゃ、千家十職のパトロンは千家の宗匠ではないわけですよ。
小田 遠州の場合だって、祥瑞をあんなふうに注文ができたというのは、後ろに前田家がいたからであってね。だから、三段階になっていますよね。金主はここにいて、デザイナーがいて、作者がいる。
林屋 しかも遠州の背後には徳川幕府がいるんですからね。
小田 だからそういう注文ができたんだと思いますよ。祥瑞なんてすごくぜいたくな注文ですよ。
当時、あの染付の含量を普通では蔵から出してこないはずなんです。芙蓉手ばっかり描いていてね。そのときに、あのすごい色のを出してくるということはこれは出ていますよ。
林屋 財力ですよ。
遠州がいかに日本で偉くても、海外に注文するとなると、ストレートに財力だよなぁ。
だから財力の裏付けなしに、こんな注文はできなかった筈、という指摘。
この二人の対談おもろいな…。学術的な結論はでないんだけど。
小田 ええ。それは一万二千石の遠州さんでは出ませんからね。だから、パトロンを探すとなると、もう一つ後ろから探さなきゃならない。
でもオチはある。
http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20100922
公金に手を付けるのも「パトロン」と看做せばなんでもアリになるってことで。