茶道具の用と美13

三田 松井先生、宗哲の棗に合わすお茶碗となったら何でしょうか、実際に合わせたことがないのですが。
中村 いや、お茶碗に棗を合わせていただいているのと違いますか。
松井 いや、やっぱりそれは茶器が上ですからね。結局、宗哲さんの棗の横へいく茶碗。これをむしろ棗のほうが選ばないと思うのです。(略)実用品というところをどこまでも残してつくっていらっしゃるから、その隣へこれでないといけないとか、それはなくなると思います。実際に使うときにポッと並べれば何にでも合うというところが宗哲さんのお家のすごいところです。
中村 そうですか。

宗哲さんが困るくらいの持ち上げ。

宗哲の棗だから、何に合わせてもいい。
茶碗の格は選ばない。なにせ宗哲より上の格はないから。

でも松井業躰は「お家のすごいところ」と言ってんだよね。
だれも宗哲の棗の「塗りのすばらしさ」「蒔絵のよさ」とかを求めていないのね。

「そうですか」に深いものを感じるのは、考え過ぎだろうか?