茶道の常識6

中立の作法。

客は御菓子を頂きますと中立と申しまして一度又露地に出て今度は内腰掛或は前の腰掛へ出て、再び主人の案内のあるのを待つのであります。
主人は席の窓を開け放ちて換氣を充分に行ひ、茶席を掃き清め飾付けを改めて時を計つて再び客を案内に出ますか或は銅鑼、鐘等を打つて合圖を致します。

客作法というより、亭主作法という気もするが、換気を行う旨明記は珍しい。
簾を取り外し後座が明るくなるのは案外換気の為が始まりだったりするのかもね。

ちょっとざっくりした中立の客作法だが、濃茶作法のトコに少し詳しく載せてあった。

中立致して居りますと、再び主人が腰掛まで迎ひに來る事もありますが、よく銅鑼
とか喚鐘を打つて合圖とする事が有ります。
打ち方は銅鑼で有りますと「大小大小中中大」と打ちまして(略)
案内がありますと客は再び席前のつくばいで手水を致しまして席へ入るので有ります。

昭和8年の松尾流では、銅鑼をしゃがんで聞く習慣はなかったっぽい。

それより気になるのは、前の章で「濃茶の時は中立後羽織を脱ぎますので」とあったのに、それがどこにも書かれていないこと。
いつどうやって脱いで、脱いだ羽織はどうするのか書いておいて欲しかった…。