新修裱具のしをり11

表装材料は紙と裂地とである。
紙は主に
唐紙
画箋紙
絓唐紙 置いた模様が、絓のやうに見えるからの名で、色も数種ある。
(略)
裂地では、普通使用せられるのは
金襴
竹屋町 紗の一種で、矢張金襴の類である。
緞子 一色で各種の模様を織出してある絹織物で、金絲の入つたのを金入緞子といふ。綿の交つて居るのを都緞子といふ。
(略)

まぁよくある基礎知識、というところであろう。

表装には何でも本紙と調和するものであればよろしいので、必ずしも以上に限つたことではない。
一般に表装に使用する裂地のがら合は模様ものであるが、近年縞物を用ひたのがある。
(略)
紙表具として徳川時代に古暦本を使用した例もある。

この本の面白いのは、「こういうのが決まり事である」を列挙したあとに、「でもそうじゃなくてもいいんだよ(結果が良ければだけど)」を言ってくれることかな。
また、江戸時代にも変な表具はあったってことも紹介してくれる。

ちなみに古暦を使った紙表具は江戸時代に相当流行したらしい。

でも見たことがない。

多分、本紙残して立派に表装され直しちゃったんだろうな。