新修裱具のしをり12

茶道では万事利休を本拠として組述して居るので、此所に彼が表具の取合(配合)に就いての説を挙げよう。
此取合は素より書院向ではなく、茶室物について説いたのである。
無名氏筆記に

一、表具取合の事、昔は上・中・一文字、色を替へ、はつきりと取合、利休此方は似たる色を取合申候、色かへたるはするどく見へ候、似たる色はものしづかに見ゆるとなり。
一、大文字のものは紋がらのこまかなる吉、文字こまやかなるには大がらなる紋吉、風帯は中とつひにも、一文字と同きれとしてもくるしからず、一文字なしにも仕ると申候。
一、絵のものには昔は一文字なきものと御意なり。
一、歌書などの表具はなるほど結構に表具仕ものなり、祖師の書物は青き金入りなどにて仕るべし。上・中共にしけきぬにてよしとの御意なり
一、利休表具の取合の内にも一入出来と申表具のこと
    上下あさきのしけきぬ。中うすあさきのしけ。一文字紺地のほそつるの金らん。
    風帯一文字と同じ。象牙の撥軸。
とある。

利休が語った掛軸のゴールデンルール。…無名氏筆記とは一体?

  1. 昔はコントラスト強かったけど、俺は低め。目に優しいよね。
  2. デカい字には細い模様。細い字にはデカい模様。
  3. 絵の軸は昔一文字なかったんよ?
  4. 歌とか偉い坊さんとかはそれなりの格に仕上げようね。
  5. 利休のいっちゃんいい取り合わせはライトブルー中心に濃淡附けたやつ。

さて、どうだろう?


前の二つはいいと思うんだけど、絵の軸に一文字が無かったってことはあるんだろうか?むしろ利休の頃に一文字を廃しはじめたって印象。

あと、最後の。
利休が「本紙がどういうものか」を説明せずにイカス取合せを紹介したりするだろうか?
いかすファッションも中身とマッチしてなきゃチンドン屋なんだぜ?