飛石・手水鉢4

(二)踏段石

沓脱石の次に来るもの、二番石という名でひろく呼ばれている。二の石ともいう。
別に二段石という人もあるが、これは石が二段の平面をもっているもので、二番に使ったからとて差支えないが、もともと石の形から来る名称であり、むすいろこの形は庭の他の場所に用いられるので名称上誤りを来すので避けた方がよい。
また踏石という人もあるが、これは茶室の入口に使う石の名称として知られているので、同様誤りやすいから用いない方がよい。

まさか沓脱石の横にある二番石に対し、こんないろいろな説明があるとは思わなかった。

最後のは「二番石を踏石と呼んじゃうと茶室前の沓脱石と混乱するから止めた方がいいよ」みたいな話か。なるほどなぁ。

沓脱石との間隔は庭の飛石の間隔よりせまくする。
その理由は二番石が雨落線を切って据えられるのが定石なので、軒の出の如何によっ
ては一番石との間が開き過ぎるのは雨落線の外へ出過ぎるきらいがあるからで、これは一つの標準とされる。
必ず雨落線をこの石が貫かなければならぬというわけではない。三番石が貫く場合もある。
一版には二番と三番との間に雨落線が来るということは少ないものである。

この二番石は軒の庇の線の下にあるのが定石なのか…。
悪くても三番石がそれに代わり、石間に雨落ち線は来ない…というのは多分美意識の為せるワザなんだろう。

建物と庭との境界線を、明確にこの石!と決めれた方が気持ちいいし、茶室なら異界化にも有効だ。

でも、大寄せで行く茶室は大概こうはなっていない気がする。
巨大な沓脱石の左右に二番、三番を配置して、庇を大きく取って三つの石は雨落線の内側になっている事が多い。
これは大人数が「お足元の悪い時」でも混乱せずに出入りできる配慮であって、本来のありかたじゃないんだろうなぁ。

あと、石の配置に対し定石という言葉を使うのはなんか逆に不思議。碁は蛤の殼並べてるのにね。