百年名家 近代茶人の理念が生んだ家

昔のお家探訪をする、謎番組「百年名家」。

以前、今日庵も特集されていた。

http://d.hatena.ne.jp/plusminusx3/20150521

今回は松永耳庵の老欅荘。


欅の巨木を中心にするための門の設計、遠近法の錯視を利用した石段。
解説されると面白い。

「寄付」として使われている三畳茶室。いきなりおもしろい。

A,B,Cが出入口でDが水屋道庫である。

Cが客の出入口、Aが亭主の出入口、亭主床の前で点前して、Bは半東の通い口であろう。
ってことは三畳茶室なんだけど、客畳は一畳だけという贅沢な造りである。

あとは継ぎはぎ増築だらけの家屋をどうおしゃれに仕上げるか、というのがいろいろ解説される。


囲炉裏を置いた鎖の間は、當麻寺の古材を浮かせないために、あたらしい建築材料に古色をわざわざつけている。おかげで黒川温泉みたいなちゃらい感じに…。
天井に煤竹並べた間をわざと白漆喰をはみだたせたのはかっこいいけどな。


中板三畳の水屋には炉が切ってあって、「炉が切られていることから茶室の機能ももちあわせていると考えられます」と解説があるんだけど、水屋に炉が切ってなかったら、替え釜の準備ができないから問題じゃん。
…でも床もあって天井も煤竹と網代の二種に分けてあるから、まちがいなく客を迎える部屋である。こっちを先に紹介して欲しいなぁ。


この番組は住友林業提供番組である。

家の材質にやたら拘る。だが茶室としての紹介はイマイチである。

床框が古材かどうかより、躙り口の向うに見えている仏を彫ったつくばいが気になるんだけど、そういう紹介はしてくれないんだよねぇ。

そこどうにかなんないかなー。素材がいいので面白かったけど。