飛石・手水鉢7

何の目的で庭に飛石を打つかということは説明の余地はなかろう。
園路を歩みやすくするため、雨雪の場合、ぬかるみが除けられる。
実用という点からいえばこれだけである。

そりゃそうだ。「実用」という点では。
あとは美しさとかだよねぇ。

一口に飛石といっても、その打ち方や規模は、庭のどこの部分に飛石があるかということで大なる違いを生ずる。
(略)
通常は書院庭と茶庭とでは区別がある。
茶庭の場合は一般にいえば、侘をたっとぶ関係上、書院の場合より幾分無理な点もある。
石の打ち方が危げである故にかえってゆっくりと歩まざるを得ないとか、ゆっくり
と歩くうちに四辺の風致が目に入るとか、物見石や額見石が有効な効き目を示すとかいったことである。

と思っていたら、茶庭の飛び石は、むしろ実用的には打たれていないのが特徴だという。

…そういえば、茶庭の飛び石って歩きにくいよね。
ぬかるんでいない時は石を避けて歩いた方が楽なくらい。

大体からいえば、石は小形のもの、踏面はせまく、高さは大に、根入れは深く、石の間隔はひろいといった風に据えられる。

たしかにそうだ。

踏む面が狭いだけじゃなく、凸凹してたりさえする。

…気になるのは、利休時代はこんな歩きにくいものだったのかどうか?

「利休は渡り6分景気が4分、織部は渡りが4分景気が6分」とかの言葉からすると、きっと歩きにくかったんじゃないかと思う。

わざわざ歩きやすくする装置を発明して、歩きにくくして使うなんてひねくれ過ぎである。