飛石・手水鉢8

飛石の形式ともいうべきものが古来唱えられている。
それが真行草というもので、真の飛石といわれるもので古来著名のものは
桂離宮古書院御輿寄前
のものである。
畳石の敷石とでもいうべきもので飛石の観念ではなく花崗岩切石を巧妙に敷いたもので、その形は
正方形、長方形、不正四角形、不正五角形等で合計四十三枚を敷詰めた細長形のもの、長さ約三十一尺、幅約二尺四寸ある。
その前後に飛石あり、『桂御別業之記』には「名高き遠州好みの真の飛石」と記述されてある。

これか。
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※画像はトリップアドバイザー提供。

たしかに全然飛び石じゃないな…。狭い敷石通路である。

行の飛石というのは書院庭に打たれるもので割合に大形の石を用い、これから述べようという通常の飛石の形式であると見なしてよい。
草の飛石とは主として茶庭、露地に打たれるもので石は比較的小形でその割合には間隔がひろいものを称して差支えないと思う。

ちょっと変な「真の飛石」の次は「書院・茶庭」で「行・草」なのか。

感覚的には茶庭にも「真行草」がありそうなもんだが、あまりにもおおざっぱな括りである。

理論化が不足しているのではあるまいか。

桂離宮の真の飛石は名称があまりにもよく普及しているのでそれでよいとし、行草については特にこうした名称を固執する必要はない。
(略)

ああ、やっぱり。

桂離宮の「真の飛石」は、飛び石を理論で考えて真行草に分類した結果のソレではなくて、「真の飛石」という名称の敷石だと思った方がいいわけね。

だよねぇ。

でなきゃ燕庵前の敷石風飛び石は茶庭なのに真ってことになるもん。