飛石・手水鉢12

飛石を打つには、まず園路となるべき歩道に縄を張って見る。
この中心線を跨ぐようにして何回も歩いて見て中心線の曲直を加減する。
さらにどの部分から枝わかれして歩むか支線の中心線をきめる。
古来左足の歩みを彳(てき)という、右足の歩みを亍(ちょく)といい、彳亍という熟字さえできている。
一層慎重にやるのなら、この中心線の上に円形の板ボール、サンダラボッチの類を配し、その上を実地に踏んで見て歩き工合を訂正する。

…庭って意外と現場合わせで造っていくもんなんですね。

古書には中心線は直線にとるのが最上なりとあるが、あまりに長い直線は見た目にも単調である。そこで庭の規模からどうしても直線で長くとらなければならぬとするならばその間々に短冊石か延段を交ぜた方がよい。
(略)
急に曲がること、つまり曲率半径の小さいのは石の風致は時により美しいが歩きにくい。
大きく曲がるのは歩きよいが、分岐点近くでは現場次第で相当に工夫を要する。

今日庵とか燕庵とかの上面図を見ても、そんなぐねぐねしないのが古法っぽい。

まぁあんまりひねくれたグネグネを配すると、客がショートカットしちゃうもんなぁ。