飛石・手水鉢11

飛石のちりとわたり

ちりというのは石を据えた時の地上から上面までの高さをいう。
大体、小庭では少しく高い目に、大庭では低い目に据えると景がよい。

飛石の高さについて。

高さについて古来「利休は二寸、織部は一寸五分、遠州は一寸」という言葉があるが、これは庭の地被物によっても違ってくる。砂庭、苔庭、敷葉を行う場合、水湿の多い場所、地瘤の有無による。

高さに関しては実用上の要請もあって決まる、と。

『秘本作庭伝』には「飛石の法は乍恐天子高さ五寸、御摂家方高四寸、諸候三寸、太夫二寸、衆民一寸とするを法とす、しかりといへども一寸づつと定め居る時は余程吟味致候では出来不申故二寸まではゆるす」と記し(略)

古書には、高い「ちり」は貴人用ということになっているものがいくつかあるようだ。

つまり、二寸より高い飛石は、常識で必要ないという事だろう。

…しかし、15センチの石を渡らせられる天皇ってのも可哀想な存在でなかろうか?