飛石・手水鉢18
水門についてはさらに重要な構造がある。
それは吸込の穴から下方に水を落し、その水を地下に設た伏瓶もしくは伏鉢の底にうがった穴から滴下させ、内部の空洞を利用して滴下音の反響を地上にいて聞くという微妙極まる構造である。
この構造を洞水門或は伏鉢水門、伏瓶水門という。
いいよね〜、洞水門。
一回しか使ったことないけど。
日本庭園の細部構造物のうちこれほど日本的なものはほかにないが、またこれほど手数と工費のかかる構造物もない。
それは一旦完全に造り上げた後、水滴の反響音を聞いて見るに、まず、一度では満足がいかない。
それは音響というものが実に数多い条件によって左右されるからで、その条件を変えていくに従って一々音色を異にする。
その何れがよいかは比較できないし、一々地中の構造をやり直すということは容易な仕事ではないからである。
なるほど。ちゃんと埋めるとこまで完成させないと音が聞けないし、でも手直しするには掘り出さなきゃいけないわけか…。
贅沢なものだわ…。
施工側からは地獄かもしれん。
地下に沈める水瓶は肉の薄い素焼硬質のもので二斗入り程度のものがよい、
大きく二つに割れた廃物の瓶などはつぎ合わせ簡単にモルタル接ぎか針金締めにしても利用できないことはない。
汲取便所用の土ガメで結構である。
でも最後の1行で興醒め。
そりゃないよ〜。