天目茶碗考8

天目茶碗の種類

天目茶碗の形状が略一定のものである事は、既に説いた通りである。
されば其形状に依り種類を區別する事は難しい。
従來我國に於て稱せられて居つた名稱は主に其釉の色、若くは装飾、製産地、所藏者等に依りて命名せられたものゝ樣である。

ということで、天目の名称について。

○釉の色に依り命名された例

塗天目(堺名物、利休所持のもの、其釉塗物の如きより斯く命名せるものゝ樣である)、灰被、蓼冷汁、黄天目、赤符、黒符、白天目等。

赤符とか黒符とか、知らないものが多い。
そもそも「塗天目」が判らない。聞いたことないな…。

○表面に現はれた模樣、装飾に依つて名附けられた例
萩天目、薊天目、紅天目、柿帷子、痩鹿毛、曜變(星天目)、油滴、禾天目、玳皮盞等。

曜変から後ろは判る。
その前は聞いたことないのばかりだ。
兎毫盞が入っていないのは何故なんだぜ?禾目に含まれるから?

○産地に依れる命名の例
建盞、瀬戸天目、伊勢天目、犬山天目、不二天目等。

こっちは異論の挟みようがない。

○所藏者、或は嘗て所藏せし人、若くは場處に依りて命名せられた例

妙國寺天目、富田天目、松本天目、尼子天目、紹鴎天目、淺見天目、等

こっちも知らないの多いな…。

戦前はもっと天目が知られていて、知る機会も多かったんだろうか?
曜変2碗以外美術館でもあんまり見ないもんなぁ…。