庭園入門講座6 庭垣・袖垣・工作物類2

竹素材に関する蘊蓄。

竹について一言することがある。
千利休の時代にはもちろんモウソウ竹は日本内地には存在していなかった。
マダケの利用率については疑問がある。
当時用いられたのはヤダケであった。これは当時の武器であった矢につくるので重用されていて誰の手にも自由に入るという品ではなかった。
これ以外の竹でもそう自由に売品とはなっていなかった。
それでその頃の世間に「ささら衆」という一つの階級があり(略)竹はこの連中の手によらなければ自由に手に入れられなかった。
(略)
その時代及びその後の時代の庭つくりにおいても竹として簡単に手に入ったかどうか、ここに種類や使い方の問題が残されているかと考える。

孟宗竹は島津の琉球支配により輸入されるようになった、という説が主力らしい。

…この書き方だと、どっかの茶室の時代判定に疑義があるんだろうなぁ。

モウソウ竹
(略)
マダケに似ているが竹質の点ではそれにおとる。
本格の竹垣はマダケでなければならない。
耐久力はかなり違う。
特に地表に接して用いられている部分においてモウソウ竹はかなり早くくさるものである。

孟宗竹はタケノコとして食用にするものだから、肉厚で柔らかい。脆くて当然な気がする。

この二種の区別点は竹の節によるのが簡単である。
マダケは節が二重、上の方の節は明らかに節をなしていないこともあるが突出している。眠芽をもつ場合は芽は上の節を中断し、下の節で止まっている。下方の節には眠芽はない。
モウソウ竹の方は一重であり、時に上方にかすかに突起していることもある。
なお節の突起から皮面への移りかわりに見る曲線も少し異っている。

これ茶杓の時代判定にも使えそうだ。

矢竹とか淡竹は茶杓に作るには細すぎるから、真竹や孟宗竹でないといけなかった筈だしな。