庭園入門講座6 庭垣・袖垣・工作物類4

木橋について:

本編で述べる橋は木材、竹材、土を用いたものにかぎり、しかも庭のなかに架せられるものとする、石橋については後編石組の章において説明してある、それは構造が全く異なるからである。
これらの特徴は小規模なもの、荷重がかからないもの、装飾、美観という点がむしろ実用を無視しても多く盛りこまれていることにある。

大河に架橋するようなものは庭師の仕事ではなく、これまた建築家の仕事であろう。

そして水路なんて埋めちゃえばいいのに残しているのは、橋を装飾的に作りたいが故で、橋の為に水路や池があるのだ。

なんかナマグサイ感じがしなくもない。


そして装飾橋の極致が、八つ橋であろう。

来歴はどうあろうとも、現在では在ショウブ、カキツバタなどの生じていると否とにかかわらず、流れや池沼に架けられた板橋であって、きわめて低く、水面に接し、七曲がりといわれるように屈折した平面形のものを称している。
(略)
水に渡してある板の方向はさまざまであり、真直ぐにかけても渡れるものをわざわざ屈曲までさせていることは事実であり、それは池景を見るに都合がよいからであるとされていて、実用の橋であるというよりも景を活かした装飾、添景を主とした橋であるには違いない。

なんかかっこいい。だから八つ橋を架けるが、意味なんて無いし、実用的ではない、ということ。

だから:

勾欄のないのが本格だが、水中に落ちたとて生命にかかわるというような危険はない。しかし安全のため、片側だけでも手すりをつけたのも見られる。

といったことも起きる。

景だけ考えたら言語道断で、実用性ないんだから景だけ考えて手すりなんてつけるなよ!という著者の魂の叫びが聞こえてきそうだ。

…いまどきだと自撮棒で撮影するために池ポチャする光景が八つ橋でみられそうだ。