茶室考11

道庫について。

道幸の作事について「茶道正伝集」を見るに、

「道幸の横の広さ内矩二尺五分也、深さ内矩一尺五寸也、高さ内矩一尺六寸五分也、道幸を箱のことくにさして底なしにして底には勝手の畳を用い候也、

二尺五分の五分はどこから出てくるんだろうか?
二尺じゃ駄目な理由があるのか?横幅が621mmなのと606mmとでどの程度違うというのだろう。
茶道正伝集という本は少々細かすぎると思う。

底に畳、ということは水屋道庫を想定していないのね。
というより、「箱の如く指して底無し」「勝手の畳を用い」から、襖をはさんだ隣の部屋に置いて使う置道庫だと思われる。

ところが:

障子の鴨居は杉桁を九分の厚さにしてたてつめの柱より瓦燈口の張目九分残して押通て壁下地に取着、
(略)
同障子骨はかまちともに竪四本横五本なり、鍵釣は下より二ツ目に切候也、白奉書紙にて太鼓張なり。」

から、きちんとした壁に扉を付けた道庫にも思える。

茶道正伝集の語る道庫がどういうものか今一つつかめない。
…それにしても内容が細かくて神経質である。