数寄空間を求めて5
雪の話。
京の町に初雪が降った。天正十七年(一五八九)十一月十六日のことである。
内裏では、「雪消し」の贈物を楽しんでいる。けさ初雪ふりて、御ゆきけし、なかはしよりいつものことくこしらへてまいる。
ひしひしと、みなみな御ゆ殿御たき火にてまいる。(『御湯殿上日記』)雪の、特に初雪の降ったとき、粉餅や果実などを贈る行事、これを「雪消し」と呼んだ。
楽しく食べて雪を消そうというのだろうか。
長橋局からいつもの通り雪消しの贈物が来た。御湯殿上で焼火を囲み、料理をいただき一献傾ける。
「ひしひし」は「盛大な祝儀・酒盛りをいう女房詞」(『日本国語大辞典』小学館)である。
うーーーん、こーゆー公家の風習は教養として持っておいた方がいいよなぁ。
限られた風習しか知らないってことを実感したわ。
知ってるのって夏越の祓の水無月とか、ひちきりとか、お菓子関連ばっかだしな…。
ただまぁ自分だけ知ってても趣向にはならんのですけどね。