江戸時代後期、茶の湯の衣裳の主流が十徳になった。
それ以前の茶書ではうっかりすると裃とかつけてた。
違いは何か?袴である。
十徳は着流しであり袴は履かない。
袴を履くと式正寄りになるので、十徳は侘び茶によりふさわしい。
でも、それだけなら、十徳が茶の湯の主流になるのがもっと早くてもいいはずだ。
たぶん、江戸後期に、十徳が「着れるようになった」原因があると思う。
私は「茶の湯の正座化」が理由だと思う。
諸説あるが初期茶道の姿勢はあぐらだったり片膝だったりで正座ではない。
この状況で十徳を着るとポロンとしてしまう。
正座の茶の湯が普及するまで十徳でお点前は難しいと思う。