南方録と立花実山6

実山は六千八百六十石を領する藩の重臣野村太郎兵衛祐春に預けられ、鯰田に幽閉されているが、謫居の具体的な場所については未だ特定されていない。

なるほど。…なるほど?

梵字艸」にみる謫居の場所

謫居の家ハ野村祐春の臣村橋なにがしが亭なり。
(略)
山ぶところにして夜の明る事おそし

この一文からして、山に囲われた状態であり、しかも東側には山が間近に迫って日の出の遅いことが分かる。
これに対し浄善寺の東側は特に高い山はなく、日の出が遅くなることもない。

いや、待って。
これは特定しなきゃいけないことなの?

以上のとおり「梵字艸」の記述を見てきたが、南の方四、五〇〇メートルに小高い山を見て、東の方に山が迫り、しかもその山を越えて二、三〇〇メートル離れた晴雲寺の鐘の音が聞こえてくるという。
これらの条件を満たす場所を探してみると、地図上のAの円内(八〇頁参)が最も可能性のある場所である。

いったい何がこの著者を駆り立てているんだ…?

俺はこの著者好きだぜ。理解はできないけど。