炭が熾こる。

組み炭の箱を開ける。きれいに並んだ菊炭はすこし贅沢感。


火箸で組み炭の幾つかを拾い、火起こしに入れる。
ぐっと重い。バーベキュー用の炭とは密度が違う。

コンロのトロ火に掛け、25分あぶる。

火の粉は飛ぶが、ほとんどはじけない。割れない。臭くない。

炭の下半分があかあかと光る。


でもここで安心はできない。
バーベキュー炭だってあかあかと光ったんだから。

火起こしを風炉に持って行く。
熾きた炭を並べる。

じっと眺める。
…消えない!
実にあっけなく炭が熾こった。


他人から見れば、阿呆すぎる行いかもしれないが、炭の性能の違い、というのがこれほども違う、というのが判って有意義だった。もし、粗悪な炭を使わなければ、こんなに炭の着火方法勉強しなかったかもしれんし。


炭の火は、見てるとなんだか落ち着く。

餅だって焼けるぜ。ガスで焼く餅と違い、良い匂いが漂う。
ぱりっとしてうまいぜ。