懐石料理とお茶の話 八百善主人ものがたり2 江戸料理

八百善は(ほとんど滅びた)江戸懐石の名店。

筆、只今お話の料理屋が今日では殆ど没落して了いましたね。
一つには関東の大震災とか又戦災などもありましたが。

主、全くです。勿論種々の原因もありましたが、江戸料理そのものが今日は全くみかけられなくなりました。殆ど大部分が関西料理に圧倒されて了いました。

滅んだ理由は、京料理のポテンシャルに対抗できなかったら。


さて、「ペルリにも料理を差し上げた」八百善さんですが、そういう接待料理の献立がこの本にも収録されており、やっぱ本膳料理なんですな。

ところが:

私共では茶の懐石風を主眼として平常の料理を差し上げて居ります。

現代では、本膳料理は作る側には荷が重いし、食べる側も大変だしで、やっぱ廃れているみたい。

で、江戸料理の特色というと:

ですからきんとん、蒲鉾、卵やき、鰆の照焼と云うようなものが特色でした。

大名料理に範を示してもらっていた江戸料理としては、本膳料理が当り前の時代はともかく、茶懐石が主流になっちゃうと京料理のポテンシャルに勝てなくなったって事なんでしょうかね。

特色の料理の数々が茶懐石にいまいち組み込みにくそうだしね。