茶道要鑑3 濃茶の飲廻しに就て

當流では仕ないが、今尚飲廻しと稱して、一つの茶碗に數人分の濃茶を煉り、上客より末客まで順に飲み送る習慣を廃めず、依然として舊例を守つて居る向もある、衛生を重ずれう今日、恐らく之ほど危険な事はなからう。

瑞穂流さんは吸い茶否定派なんだね。
…でも吸い茶否定派の濃茶って、各服点てになるわけだから、点前の時間がかかりそうだ。

之れが若し古來の慣例にて感染の恐れなしといふならば、濃茶のみ而かせずと、牡丹餅の喰廻しや握飯の齧り廻しも何故せない。
假に衛生を二段とするも、禮譲を以て誇る茶道に、我口を着けし茶の啜餘しを人に與へて可いとすれば、飯の喰い殘しや汁の吸餘しも、上客より順に送っても差支が無いといふ事になる。

こういう極論大好き。

この本、著者の極論が横溢していて、しかも反論しがたいという大変面白い本なんだよ。