日本喫茶世界の成立3 さまざまな茶と喫茶法

第3章は、日本の庶民文化に残る喫茶法について。

ここでは様々な製茶法や飲用・食用方法が語られている。

[バタバタ茶(糸魚川)](点て茶)
新潟県糸魚川のタテ茶(バタバタ茶)は、相馬御風の「タテ茶の風習」によると、番茶を煮出して天目風の茶碗に汲み、少量の塩を加味して、茶筅で泡立てて飲む茶だった。
茶の花を煮て乾かしたのを入れると泡が立ち易いという。この知恵は出雲のボテボテ茶の場合とも共通する。

[やこめ・あおやこめ]
南広子によると、丹生谷地方の<やこめ><あおやこめ>は、茶わんに焼き米を半分くらい、熱い番茶を七分目ほど入れて焼き米に給水させ軟らかくした後、再度熱い番茶を入れ、温かいうちに塩味で供する。

等々。


おもしろいのは塩を入れる方法が割と一般的である事。

実は東南アジアからインドに掛け、お茶に塩やバターを入れるのは結構ポピュラーなのである。

もしかすると縄文期に黒潮に乗って文化交流が…みたいな話だとすると面白い。

抹茶煎茶のメインストリームから外れたところにロマンがあるとはね。