利休真流茶の會圖式5 碗盛の出たる圖

碗盛持出膳近に置けば客美酒の挨拶すべし
次客へ碗もり持出なば上客碗もり風味して主へ挨拶あり
御詰迄あけ置き主は櫃再び持出置き銚子ひくなり

銚子が出た後に煮物だが、煮物を出す際に「酒の挨拶」があるというのは面白い。

地酒の吟醸ブームの今と違って、昔は銘柄等級簡単だから「灘の生一本でございます」「白鹿でございます」ぐらいで済むので楽そうだ。
今だと「純米吟醸 生酒、米は吟の精55%磨き。酵母は山本セクシー酵母(仮)でございます」「うきうき白瀑でございます」みたいになるから大変そうだ。


さらに、正客は自分に煮物が出たら、亭主が次客の為に煮物椀を取りに戻っている間に、味見して主に挨拶しなければならない。

ということは、煮物が配られ終わるのを待たずに正客は食べ始めてしまうのか。なんだかなぁ。

でも、これのタイミングって濃茶の、茶碗を次客に渡してから茶銘を聞く問答に似ていると言えば似ている。

なお焼き物ではこうはしないので、煮物の格が特に高かった事を示すのかもしれない。…単に盛り合わせではタイミングが掴めないからかもしれないが。