玉川遠州茶道秘訣抄20 不時の茶の湯の傳

客を待合に通し数奇屋にはぬれ釜をかけ置定の如く客を迎ひ入

このへん、普通なので略す。

風炉の時はかきあげ灰を用ゆ

「灰を作ってる暇ありませんでした」というアピールか。

懐石は成丈け手軽きをよしとす
酒菓子ばかり出すこともあり

ありあわせ感の演出か。

濃茶点前の時茶入を拭ひ蓋をとり茶の有無を改め蓋をして留拭するなり 不時の事故取急ぎ若し茶をはく事を忘れたる哉と思ふ意なり

あれ?急いでたんでお茶掃き忘れてたわ…ウッソだよというアピールか。


不時なのに様式があるのはちょっと切ない。

んで心構え。

其名を慕ひ来て茶を所望する人あらは先の面会をとけ露路へ通し必ず濃茶を出すへし薄茶ばかり出すものにあらず
知人にても不知人にても押しかけの客故不時の茶のと云也
常々の嗜切者不切者は是時あらわるヽなり

わざわざ来てくれたんだから先約は破棄してでもお茶を出せ、それもちゃんと濃茶だ。薄茶だけなんて軽く見てると思われるぞ。
こーゆー時ほどデキる奴とデキない奴が判っちまうんだぜ!

ということだな。

常釜前提の茶の湯ってのは厳しいなぁ。