講座日本茶の湯全史28 外から見た茶の湯
田中秀隆著。
つまり仙堂さんである。
東洋の茶に最初に触れたヨーロッパ人は、イエズス会の宣教師達である。
角山栄「茶の世界史」が17〜18世紀のヨーロッパの茶文化を紹介したのに対し、19世紀の日本の茶文化を西欧人がどうみたか、を書いたのが本稿である。
これが正式な茶の湯に同席したとなると、どのような感想を持つことになるであろうか。
「ヨーロッパ人にとって、儀式が長ったらしくて無意味である。一度ならず見学してみると、それは我慢できない程単調である」という偽らざる感想を公開したのが、バジル・ホール・チェンバレンである。
別にヨーロッパ人でなくとも、茶の湯に興味のない一般人でもそう思うと思う。
フェミニズム批評、ポストコロニアル批評を経た現代の目からみると、なぜモラエスがこれほどまでに持ち上げられなければいけないのか、との印象を著者は持った。
後半はモラエス「茶の湯」に関しての話になるが、これはモラエス「茶の湯」そのものを読んでいないと議論に参加できない感じ。
この部分は宿題、ということで。