詩集利休8 金森宗和

金森宗和


宗和──


鹿群が 紅葉の深山を
すぎゆく
光景を 想つてゐる
動く古鏡 生きてゐる蒔繪


稻妻が 奔る
大きい神變の圖案


慴伏した萬象
山里は 音もない その時
ぢくざくの 光炎の廻廊を 渡つて
宗和は中天へ通ふ


姫宗和といへる 臈たけたる名の中に
堅い筋金が 入つてゐる
静かな水とつよい水と
弱面の裏に強面
面打の匠工が
丹念精刻に 打ち終へて ゐるごとく


美の射手よ
直線は その火矢をうけてしわる
平行線は 受胎する
動的の線の前進
雙曲線の祭典


十方より 降る雨
一朶の 清涼の花が
濡れる
快然と ぬれてゐる

呼びかけから始まっているのが恥ずかしい。

「鹿群が」の連。もしかして著者は、金森一族を飛騨のやまだしと思っていたのだろうか?最後には飛騨高山を領有するが、守山のシティーボーイだぜ?

「生きてゐる蒔繪」がいろんな意味でダさい。

なんだろう。この詩は無理矢理作らされた三題咄的な、いくつかのフレーズのイメージを無理に頑張って膨らませた感じがするのだが、気のせいか?