茶道教室5 菓子

なほ菓子は菓子屋へ注文するといふのも本來は誤った考へ方で、懐石を主人自ら庖丁すべきと同様に、菓子もまた、亭主が自製するのを以つて茶の在り方とする。

菓子はなぁ。
菓子屋の若旦那でも菓子作らん位の専業性だからなぁ。

然しながら砂糖入手難の今の時代で、甘い物を作ることには相當の困難を感ずるが、

然し一面我々は餘りにも砂糖に甘やかられ過ぎて來た。
砂糖のなかつた昔は、菓子の名の如く木の實であつた。
栗・柿・くるみ・萱・銀杏……其他、昆布・わかめ……更に慈姑・山の芋・椎茸・牛蒡・等々。
素人の手製にはまた格別の野趣と素朴と風味がある。
創意と工夫、今日の時代の菓子が作られ生まれつゝある。

終戦直後らしいお話。

物資不足と言う状況が、茶の湯を室町まで押し戻した感。

このまま「利休に帰れ」すれば良かったのだが、まぁ物資が滞りなく手に入ったら元に戻っちゃうよね…。