茶道規範74 要録 喫茶の法2

茶ノ迹ニ湯所望之事茶之濃薄ハ其善惡ニ依テ如此
侘人ハ薄茶ヲ以テ茶ノ湯ヲスル事ナリ
第一ニ水ノ吟味ヲスベシ
(略)
本朝ニモ秀逸タル名水多シ
是ヲ吟味メ可用
故ニ茶道ノ篤實ヲ感美ノ其水ノ抽ンデタルヲ試シ
為ニ湯ヲ請フ事アリ
如形茶ノ風味ノ好ヲ感ジ水モ定テ名アルヤト試ル也
サモナキ水ヲ用ンニハ却テ如何ガセン
思慮有ベシ
茶主縦ヘ名水ヲ用ル共湯バカリハ如何トテ薄ク茶ヲ點ル事主ノ意得也
客タル者ノ心持肝要也
是ヲ以テ濃茶ノ迹ニ其儘湯ヲト所望スル事努々有ベカラズ

茶人は水の善し悪しを大事にする。
だから水を吟味しなさい。
日本にもすばらしい水が在る。だからそれを賞味する為にも客が湯を乞う事がある。
でも、わりと適当な水を使っていたりする事もあるので、考えてやるように。
亭主は例え名水だからと言ってそのまま湯を出すのもなんなので、薄いお茶にして出す事。
あと「濃茶の残りに湯を入れてくれ」って所望はやんなよ、絶対。


宗偏は濯ぎを呑むのを明白に禁じている。
お白湯所望に対しても、薄く点てたお茶を出すよう勧めている。

あと、侘びは薄茶でお茶をする、という定義は面白い。

この時代、現代に比べて濃茶ですら相当しゃぶしゃぶと薄いものだった。
であればこの薄茶は相当薄いものだったのではないか?