千利休 ヒト・モノ・カネ

戸上一著。

簡単に言うと、売僧としての千利休を検証した本。

「利休が選んだ品は現代でも高く評価されている。だから利休は偉かった」という解釈を排し、「利休が選んだ品は当時どう評価されていて、利休はどう思われていたか」という歴史的解釈をしたもの。

侘び茶の茶器と、黄金の茶器を比較し、黄金の茶器の方が安い、と断じるあたり、なかなかイカス視点である。

孫が語る利休のエピソードを検証すると、茶の湯は優れているが性格悪く銭ゲバで、実はそれほど秀吉に愛されていない感じがする。

にもかかわらず、利休がこれほどまでに愛されているのはなぜなんだろう?
案外、歴史を経るにしたがって愛されまくっている男なのかもしれない。