松江3 藤田登太郎茶陶展

明々庵併設の赤山茶道会館にて藤田登太郎氏の志野の展示。

詳細を確認せず気軽に行ってしまい、見るからにモノの違う展示物にたじろぐ。

受付の方に「手に持っていいですよ」と言われたので礼を守って一順見たら退散しようとしていると後ろからきさくなおじさんが解説を。…ご本人でした。

お客が私ら夫婦二人だった(たまたま。ご本人はご飯も食べられない忙しさ)ためかえらく親切にして頂く。

50年焼いてきて唯一の窯変志野茶碗「金華山」を拝見。

電球の灯では良さが判らないと奥の茶室へ誘って頂いた。暗い茶室の中央に差す、障子越しの光の中に茶碗を置くと、茶とも灰色とも言えない茶碗が鈍い金に輝き、白く残った部分がきらきら光りえも言われぬ妖しさ。凄すぎる。

その後先生の茶碗でお薄を頂きながらいろいろお話を伺う。差障りあると申し訳ないので詳細書けないが志野に関し目からウロコが束になって落ちる。

先生の茶杓も見せて頂く。若い頃のが端正で昨日作ったはワイルド。なんだか面白かった。茶杓はアルコールランプでじっくりあぶって作れ。竹を水に漬けたりお湯で煮たりするなとアドバイスまでいただいた。

先生は客が来るのが煩わしくって嫌い、こなきゃこないだけうれしいとのこと。大変な嘘付きである。客嫌いがこんなに客引き留めて1時間も話したりしないよ。本当に素敵な先生でした。

茶会に美術館に素晴らしい志野と出会い。濃厚な一日すぎてくらくらしました。