新品の匂い
私が茶道をはじめた時。最初の茶事用になんちゃって置炉を作った。
ナショナルの小さいレトロ炊飯器を釜に見立て、その回りを包む様にシャム柿の、模様の面白い板を組んで箱を作り、色づけ&目止めに柿渋を塗った。
その結果、どうなったか。
…なんかウンコの匂ひ。
そう、柿渋というのは塗った後しばらくはとっても臭いのだ。
おかげでちょいと実用に使えない感じの代物になってしまった。
「表具屋渡世泣き笑い」には、掛け軸の糊の製法が書いてある。
最上級の掛軸糊は大寒の日に小麦粉を清水で煮てカメに入れて密封。床下で三年保存したものだそうである。
糊の出来によっては完成直後は便所の様な臭気を放ったそうである。
…という事は、掛軸や柿渋一閑張の炭斗あたりを新調したばかりで茶室に持ち込むと、茶室が便所の香りになってしまう、という事ですな。