熨斗

茶湯一会集にこうある。

口切其の外、改まりたる交会には、此所にて熨斗台をもち出し、正客の前に置きて一礼して、勝手口に扣え居り、詰より勝手口の際へ寄るを受け取り、取り入る。
尤も、切熨斗なれば、正客熨斗台をいただき、のし一つ取りて懐中し、つぎの熨斗を上へ勧めて、次客へ廻すべし。皆同じ。又、結び熨斗なれば、熨斗台いただきて廻すばかり也。但し、床に熨斗台飾りたる時は、此所にて取り捌くに及ばず。

つまり、のし鮑を亭主が出し、客がこれを頂く、という儀式があった。


実はうちの流派の江戸後期(天保年間)の伝書にも、同じ様な儀式について記述がある。
#精進の時は昆布を出すそうな。

井伊直弼やら、うちの流派の先人やらは、これを茶の湯の礼式のうち、と考えたのだと思う。

だが、これって武家の礼式なんではないかな?

千家系の伝書では見たことない気がする…。