茶杓をつくる

西山松之助/読売新聞社/1992年。

茶杓研究家でもある西山松之助の茶杓に関するエッセイ本。

序文より:

こうして目ぼしい茶人数十人の代表的茶杓を五百本余り調査してみると、それまで教えられたり書いておられることが、きわめて僅かの茶杓しか見ないで論じたり書いたりしておられる無責任さに驚くとともに、自分の茶杓作りが、実際の調査研究にきわめて重要な役割を果たすことがわかった。
というようなことで、曲げて荒削りしたものが二千本、三千本と増え、調査研究も五百本、千本、いまでは千五百本を超え、自作荒削り茶杓は五千本をはるかに超えた。

自分で5000本も曲げる、というのも驚異的だが、1000本も調査したというのも恐ろしい。
茶杓研究家、というジャンル自体がマニアック過ぎる気もするが、空前絶後、彼を超える茶杓研究家は出ないのではないか。

とはいえ、本書はもっと軽い読みものであって、研究書ではない。そういうのが読みたい場合「茶杓百選」とかを読む方がいいと思う。